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「俺がいいって言ったからって、次の日から呼ぶなんて……」
「別にいいじゃん」
よくない。ワイルデンが副調の奴だったならこの中にスパイがいても可笑しくないだろうが。
「ヘイ!その願い箱とやらは本物なのかイ?」
ジン小林が言った。こいつは父親が日本人で母親がイギリス人だ。
「それで、空は飛べるのかイ?」
こいつの夢は空を飛ぶことらしい。能天気な奴だ。
「αさんって米軍大佐だったんですか!こんど色々と武器を見せてください。僕の持っているのはスタームル……」
高橋幸太郎。軍オタクだからか、いつもずれた発言が多い。
本当に大丈夫なのだろうか。
「大丈夫なんじゃねぇの?」
親友も相変わらず能天気だ。
これからは、この数人で国際テロ組織を倒さなければいけない。
僕も半分奴等に操られている。油断はできない。
そう思いながら、僕達は残りの夏休みを過ごしていた。
<第1部>~完~

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仲間といわれても信用できる人間は親友だけだ。
後輩に僕を慕ってくれている子がいるが、彼を巻き込むわけにはいかない。
携帯電話が鳴った。親友からだ。
「いたか?仲間になりそうな奴。」
「いない。どうすればいいんだ?」
「ところでさ、夏休みだけで副調の3年が3人退学したらしいよ。」
「へぇ、それで?」
「いや、それだけ。それと仲間のリスト作ってみたんだ。いま送るから。」
「わかった。」
僕はパソコンの前に座り、メールを開いた---。
リストには20名の名前が載っていた。
リストを読み、いいだろうと思われる人を抜き出した。
加藤和彦---計算能力がかなり古いパソコン並み。
相田怜----検定好きで危険物取り扱い検定に合格している。
横田博文---医者願望が強く、専門知識も良く知っている。
高橋幸太郎--親友曰く、本物の銃を扱えるとか。
武田正明---父さん経由で知り合った爆処理隊員の息子
ジン小林---IQ196の副調最高値をたたき出した。
この6人といったところだろうか。最適のメンバーだと思う。
無論、この6人は全員どこか可笑しいのだが。

僕達はいつも誰も使っていない公民館に集合した。
解散後、行方をくらましたアルファードだったが、集合時間になるとすぐに現れた。
「ワイルド社がわざわざ天才少年に贈りつけるぐらいなのだから、よっぽど倒産させられない自信があるんだろう。」
「戦力が欲しいな。」
「とにかくさその箱の効果を書いた紙見せてくれよ。」
「あぁ、それ見せて欲しいな。ところで、ワイルデンの話だが」
僕は机を叩いた。
「物事をまとめて話そうか・・・」
そのときは多少キレ気味だったらしい。
「ところで、青年達よ。君たちの通ってる天才集団の高校ってさ、戦力になりそうな奴いるの?」
「いるといえばいるけど、変人ばっかだぞ。」
「俺みたいな一般人に言わせりゃ君もあのワイルド社の青年も変人だ」
「・・・まぁな。マシな奴を集めてみるよ。」
「でさ、αって軍人だったんでしょ?知り合いに爆処理とかいないの?」
「爆弾狂ならいるぞ・・・」
「…、じゃぁさ、FBIとかは・・・」
「暗殺専門業者・・・・」
「・・・一般兵は?」
「仲良くなかったからな…いない。」
僕達は3人一緒にため息をついた。
というわけで、仲間を招集することになった。
そのころ、ワイルド社の会議が行われているとも知らずに…
「ちっ!逃げられた!大丈夫か?」
後ろから隊長の声がした。どうやら援護してくれたらしい。
「・・・何故味方した?」
「面白そうだから?」
ワイルド社も酷いな。こいつを警備隊長にするなんて。とそのときは思った。
「そうか・・・起きれるか?」
何故か僕はこの男を信用していた。
「お・・おう。」
僕に撃たれた足からの出血はたいしたことは無かった。
「・・・・ところで、痛くないのか?」
隊長はそういったが何のことかわからなかった。
「腕・・・」
腕・・・さっき銃を撃って・・・・
急に痛みが走った。パニックになっていたせいなのか、初めて銃を撃ったのに衝撃が来ないわけが無い。
「痛っ!」
腕がズキズキと痛むが、それよりも、資料を探さなければならない。ワイルド社に関することの
「おーい。資料はほとんど無いぞ。ビルの構造…あっ!」
親友が言ったと同時に爆音がした。
「ここは危険だ。付いて来い」
隊長に連れられ、地下通路を見つけた。その通路から、外に出た。最初の建物の裏に出た。
「・・・・爆破装置がビルに仕掛けられてたんだ。襲撃されれば爆破できるようになっていたんだ。」
親友が構造図を見ていった。
ビルの周りにはパトカーがいた。パトカーの周りには救急車、消防車がいた。
「ここから離れたほうがいい。」
隊長にそういわれて、ビルを離れることにした。
「ところで、あんたの名前は?」
「アルファード・ロット。通称αだ。」
僕達は一旦帰った。その次の日、僕らはもう一度集まり、アルファからワイルド社の話を聞いた。
僕らには仲間が必要だ。もっと多くの。そして、強い。ワイルド社を倒すための。僕らはそのための準備を残りの夏休みですることにした。

第3章<謎おおきワイルド社>
「ようこそ、選ばれし者よ。」
所長室にいたのはワイルデン・ワイルではなかった。
僕達と同じ高校生だ。
「所長がワイルさんじゃないから不思議かな?」
高校生はにやつきながら言った。
「さーて、ここで死にたいか?」
「ワイルデンじゃない理由は言わないんすか・・・」
親友が呟くと目の前に手榴弾が飛んできた。
「ちっ!」
親友は持っていたハンドガンで手榴弾をはたき返した。
「危ねぇ!」
親友よ…君のほうが危ない。下手したら爆発して死ぬところだった。
はたき返した手榴弾は僕らにも青年(ワイル?)にも関係なかった。
「ははは!君たちは頭いいな!もしかして私立副調高校?」
副調高校は僕達の通っている高校だ。
輪稲田や系應、海城の上、ある意味の天才しか行かない学校だ。
全員IQ130以上。
「僕も途中まで通ってたんだ。去年1年間ね。一年しかいれなかったけど、こっちの方が楽しいから。」
「気をつけろ。副調に合格した時点でイカレテル!」
親友よ・・・お前もな。僕もか・・・
そのとき、後ろから銃声が聞こえた。青年の後ろのガラスは全部割れたが、青年は逃げたのだろうか、そこにはいなかった。



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